2008年、中国の民主化を求める『零八憲章』を起草し、国家転覆扇動罪に問われ逮捕された中国の著作家、劉暁波(りゅう・ぎょうは)氏が亡くなって1カ月が過ぎた。2010年にノーベル平和賞受賞したあとも獄中に幽閉され、今年の5月末に末期の肝臓がんであると診断されていた。

「劉氏を支持している人は国内外に山ほどいますが、各国家の指導者で習近平国家主席を批判する人はいません。アメリカのドナルド・トランプ大統領でさえそうです。誰もが中国を恐れているか、チャイナマネーが欲しいか、どちらかです」(国際ジャーナリスト)

ところがそんな世界が“大政翼賛会的”な風潮に染まるなか、EU離脱で経済的に苦しくなり中国にすり寄っていたと思われたイギリスがノーを突き付けた。

「イギリスが2隻の空母を東アジアに展開するという報道がありました。かつてのイギリス領であるシンガポールやマレーシア、ブルネイ、香港はすでに英国の影響下にはなく、イギリス海軍はキプロスにしか軍を置いていません。

すでにインド洋上でも属領ディエゴガルシア島をアメリカ海軍基地に貸与しています。ですからインドを威嚇する中国をけん制するためか、中国に頭を悩ますオーストラリアに空母を貸すのか、シンガポールに売りつけるのか何らかの意図があるかもしれません」(同・ジャーナリスト)

ノーベル平和賞式典時に劉氏の妻を自宅軟禁に

加えて7月14日にイギリス公共放送BBCは『劉暁波氏―中国が消せなかった人』との特集を組み、ナチスドイツと中国を比較しながら「そっくり!」と痛烈に批判した。キャスターのキャリー・グレイシー氏は、劉氏とナチスドイツ時代の偉人カール・フォン・オシエツキーと比較しながらこう指摘した。

《オシエツキー氏は1935年、ナチスドイツの強制収容所に抑留されながらノーベル平和賞を受賞したが、ヒトラーは、家族が代理人として授賞式に出席するのを許さなかった。
ノーベル平和賞に選ばれたとき、劉氏も服役中で、中国政府は妻が代理として式典に出席することを認めず、それどころか劉霞氏を自宅軟禁にした。オスロで開かれた2010年の平和賞授賞式で、劉氏の代わりに壇上に上がったのは、空の椅子だった》

中国の国民自体がそもそも、世界的偉人の劉暁波氏のことを知らない。中国はナチスどころか、巨大な北朝鮮と化している。

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