景気が失速している中国から世界の企業が逃げ出している。
昨年12月の世界全体から中国への直接投資の実行額が前年同月比8・2%減となった。
日本からの投資も34・5%減と激減、中国を見限る海外企業が相次いでいるようだ。(夕刊フジ)

 中国商務省の統計によると、昨年2015年12月の直接投資は8・2%減122億3000万ドル(約1兆4000億円)。
このうち日本からは34・5%減の1億6000万ドルだった。

 同時に発表した15年通年の世界全体から中国への直接投資の実行額は、前年比5・6%増の1262億7000万ドルとプラスを維持したものの、
日本からの15年通年の対中投資額は25・2%減の32億1000万ドルと3年連続で減少した。

 かつては「世界の工場」と呼ばれ、多くの日本企業が生産拠点を中国に移したが、
人件費の高騰や景気失速を受けて日本企業がいち早く投資に慎重になった。
他国の企業も追随する形で、投資を手控える傾向が鮮明となっている。

昨年末の投資減について、中国商務省の沈丹陽報道官は20日の記者会見で「人民元市場の変動の影響もあった」と述べた。
人民元の先安観が強いことが、海外企業の中国投資を抑制する要因になっているのだ。

 年明け以降も人民元や株式市場、実体経済ともに改善の兆しはなく、
海外企業は一段と投資に慎重な姿勢を見せそうだ。

http://www.sankei.com/economy/news/160122/ecn1601220012-n2.html