福島第1原発「サブドレン」運用始まる 汚染水くみ上げで半分に
産経新聞 9月3日 11時44分配信
 東京電力は3日、福島第1原発の建屋周辺の井戸から、地下水をくみ上げる「サブドレン」の運用を始めた。くみ上げた水は装置で浄化後、
いったんタンクに貯蔵し、放射性物質濃度の測定で問題がなければ海洋へ放出する。サブドレンの運用で、新たに生じる汚染水は半分になるとみられる。
井戸は計41本あり、初日のこの日は山側の20本からくみ上げた水をタンクに保管。東電によると、浄化した水の海への放出時期については、漁業関係者などと調整した上で、数週間後を予定しているという。
福島第1原発では現在、山側から1日当たり300トンの地下水が、壊れた建屋に流れ込み新たな汚染水を生んでいる。国と東電はサブドレンの運用で、流入量は半分の約150トンに減らせると見込んでいる。
風評被害を懸念していた福島県漁業協同組合連合会(県漁連)は、地下水浄化後の水の放出には、厳格な水質管理や公表体制の強化などを東電に要望。8月下旬に東電の回答を受けて、サブドレンの運用を容認していた。
【サブドレン】福島第1原発の1〜4号機建屋周辺には、深さ12〜16メートルの井戸が計41本ある。原発事故前から、地下水を井戸からくみ上げて海に流し、建屋に流れ込まないようにしていた。
くみ上げた水は放射性物質を浄化する専用の装置(1日1200トンの処理が可能)に入れた後、海洋に放出。放射性セシウム134、137は1リットル中1ベクレル未満など、東京電力は独自の厳しい放出基準を設けている。

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