■標的は2人の友人

司法記者が続ける。

「他にも殺してみたかった相手はいるかと聞かれた大内は、友人2人の実名をあげたのです。
1人はピアノサークルの男性で、“家でピアノを弾いている隙に撲殺できる”と証言。
もう1人は理学部の女友達で、大内の家に泊まりに来ていたことから“寝ている間に絞殺できる”と話したのです」

だが、こうした露悪的な証言が飛び出すのは、「法廷戦術」とも見られている。

「弁護団の戦略は、大内がなるべく心情を隠さず話すことで、精神病患者の印象を裁判員に持ってもらうというものです。
すでに彼女が発達障害や双極性障害であると主張しており、弁護人が裁判員に向かって“こんな動機で人を殺すなんて理解できますか?
”と話しかける場面もある。狙いは逆転無罪です」(別の司法記者)

元東京地検特捜部副部長の若狭勝氏も言う。

「もし、私が弁護人になっても同じことを考えると思います。『殺意はなかった』、『殺意はあったが責任能力はなかった』、
『いずれにせよ無罪である』という論法です。
“まだ人を殺したい”という証言は情状酌量にマイナスですが、挑発的な発言を続けると、裁判員が精神疾患と見るかも知れません」

もちろん、彼女が責任能力なしと認められる可能性は低い。で、その量刑はというと、

「殺したのは1人ですから死刑になることはない。いちばん重くて無期懲役でしょう」(同)

無期囚の平均在所年数は約32年。仮釈放の日に「まだ人を殺したい」と思っていない保証はない。

2017年2月15日 5時58分 デイリー新潮
http://news.livedoor.com/article/detail/12674819/