小林よしのりさん(64)。これまで保守派の論客として鳴らしてきたが、今回の選挙では立憲民主党、
次いで共産党を支持するという。10月16日、「一に立憲民主党、二に共産党」というブログ記事で表明した。

同記事で小林さんは、
「共産党は立憲民主党と選挙協力をして、自党の議席を減らすダメージを負いそうになっている。
これは良くない。希望の党はもう見捨てよう」と呼び掛けている。

小林さんの思想は、共産党とは相いれないのではないかとも思えるが、

「共産党は(中略)イラク戦争も反対したし、安保法制も反対したし、共謀罪も反対した。立派だ。反グローバリズムも『保守』の思想だ」

と同党を評価しているようだ。かなり意外な印象を受けるが、小林さんがこうした考えを述べるのは今回が初めてではない。

今年に入ってからは民進党議員の応援が目立っていた。

同党の党首だった蓮舫氏が戸籍の公開に踏み切った7月、「わしは蓮舫を支持する。党首にふさわしい」と称賛。
いわゆる「保守」の人々の多くが蓮舫氏を攻撃していたが、「産経新聞や『アゴラ』やネトウヨこそ、日本から叩き出すべき国辱野郎どもだ」と怒っていた。

9月には、同党の衆院議員だった山尾志桜里氏の不倫疑惑が報じられた。小林さんは9月6日付けのブログ記事で、
「わしは山尾志桜里を総理にする会・代表だが、まだ代表を降りるつもりはない」と山尾氏を擁護していた。

小林さんの立憲民主党、共産党支持を受け、ネットでは、「こんなことを言い出すとは」「この男、変節したのか?」といった困惑の声も上がっている。

10月14日に新宿駅前で行われた立憲民主党の街頭演説に駆け付け、改めて安保法制を批判。集団的自衛権の容認ではなく、
「我が国を、我が国で、個別的自衛権で守る。これが保守の考え」と語っていた。
経済格差についても、「資本主義を健全に運営するためには、格差は是正しないとダメです」と訴えた。
こうした考えから、今回の立憲民主党・共産党支持につながったようだ。

翌15日には、かつて犬猿の仲だった辻本清美氏の応援演説に駆け付けている。
日刊スポーツによると、小林さんは「辻元清美とは敵同士でした。いまは手を組むことになってしまいました」と語ったという。

さらに、「安倍政権の暴走を止める人が必要です。それが辻元清美なんです」とも訴えた。
小林さんがリベラルになったのか、それとも「リベラル」が小林さんの考える「保守」に近いのか。
リベラルや保守といった対立軸を「アウフヘーベン」する必要があるのかもしれない。

2017.10.17
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