<混合介護>都と豊島区が指名料検討 1時間500円程度
毎日新聞 2/10(金) 7:10配信
 介護保険が適用されるサービスと保険外サービスを組み合わせる「混合介護」の推進を目指している東京都と豊島区が、
利用者宅を訪問する介護職員の「指名料」の導入を検討していることが分かった。利用者は1時間当たり500円程度を追加負担する代わりに、看護師やあん摩マッサージ指圧師などの資格を持つ職員を指名し、
施術や専門的な助言を受けられる仕組み。職員の賃金向上につなげ、不足している介護人材確保も目指す。【林田七恵】

 現行制度では、保険内と保険外のサービスを同時に提供できないが、都などは地域を限定して規制を緩和する「国家戦略特区」の枠組みを利用し、
2018年度をめどに混合介護のモデル事業を始めることを目指している。介護職員不足に対応するため、これまでは認められていない指名料の導入を10日の国との協議で提案する。

 区などは、サービスの質を保証するため、有識者に指名料の対象となる職員の条件や付加サービスの具体的な内容を介護業者から聞き取ってもらい、
「有料サービス」として認定する方向。追加料金が職員の給料に反映されたか確認する仕組みも検討する。

 また、都や区などはヘルパーの需要が集中しがちな食事の時間帯は利用料を上げる一方で、需要が少ない時間帯は下げ、需給バランスを調整することで人手不足を補うことも協議している。

 小池百合子知事は昨年12月の都議会本会議で、指名料に触れた上で「弾力化が認められると、事業者が創意工夫を行う幅が広がる。
利便性やサービスの質の向上、介護職員の待遇改善にもつながる」と導入に意欲を見せていた。

 混合介護を巡っては、公正取引委員会が昨年、規制の弾力化を求める報告を公表し、政府の規制改革推進会議が容認について検討している。都の取り組みが成功すれば、全国に広がる可能性もある。