また、提供するすべてのプログラムに、暴力レベル、物語の舞台、時代設定、登場人物たちの職業までを指定した100を超えるタグが付けられている。

「サブスクリプション・サービスは実に素晴らしい」と語るのは、ネットフリックスのプロダクト担当副社長のトッド・イェリンだ。彼は『ガーディアン』紙にこう語っている。

「わが社はもう宣伝とは縁を切りました。視聴率にあまり影響しませんから。純粋な人気だけで成功を測れた時代は終わりました。
それでは個人の思いがけない行動や嗜好が読めないのです。われわれはあらゆるデータをロサンゼルスの番組開発チームに渡して、彼らが考えているプログラムと突き合わせることができるようにしました。
ユーザーデータは、そのプログラムを買うかどうか、次のシーズンも続けるかどうかを決める上で重要な判断材料になりますからね。伝統的なテレビネットワークもケーブルネットワークも、われわれのような情報は持っていません」

ネットフリックスにはテストオーディエンスもレーティングカードも必要ない。
いまもネットフリックスは、成功も失敗もあるクリエイティブな業界で他社と競っているが、ネットワークテレビが絶対に持っていない“巨大な脳”を持っている。
サブスクリプション・サービスにおいては、必要なすべてのインサイトが自社のシステムの中に存在しているのである。