転載

Q. 6月になったが調子はどうか?

生活状況的には僕の人生史上、今が一番ピンチかも知れないのだけど
反面、漫画の状況というのかな、漫画に関しての手応えは今が人生史上最高の状況だと思う。
全てのパズルピースが揃いつつあるんだ。
2022年、今年の下半期はかつてない激動のシーズンになるんじゃないかな。

Q. ずっと同じ事を言ってないか?

いや、今回はもう全然違うんだ、たぶん僕はとんでもない発見をしてしまったんだろうね。
漫画だけにとどまらない人生の基盤というものを見つけてしまったんだよ。
『どう生きるべきか』僕はその答えを見つけてしまったんだ。

Q. その答えとは?

一言で言うと【Tree】
これが僕のライフスタイルだ。
そして漫画創作スタイルでもある。
その意味については答えない。
でも【Tree】という言葉は的確だと思う。
僕はこれによって理想の漫画家になれるし、理想の人間になれるし、理想の生活スタイルを手に出来る。
いや、もうそれら全てを手にしたと言っても過言ではない。
この6月に手にしたノウハウ【Tree】は僕の人生で最も偉大な発見になったね。

Q. ところでONE PIECEが最終章に突入するそうだが、ワクワクするか?

ワクワクさせて欲しいなと思うかな。
どちらかと言うと今のところは、がっかりさせて欲しくないという気持ちだ。
彼が描くべき事は沢山あると思う。
ONE PIECEというのはこれまで沢山の伏線をばらまいて来た。
その量を考えると…本当にまとめられるのか?という心配がやっぱり先に来てしまうんだ。
動かすキャラクターも山のように居るからね。
漫画論法的には…キャラが増えると物語としては豊かになるのだけど展開スピードは落ちる。
今のONE PIECEはキャラの多さ故にじゅうぶんに展開スピードが落ちている。
この状況から伏線をバンバン回収というのは、それは4トントラックに乗って急ハンドルを切るようなものなんだよ。
それがどうなるかはわかるよね、転倒してしまうんだ。
ONE PIECEという漫画が一気に陳腐なものになってしまう危険性があるんだ。
でも、丁寧に描こうとするとノロノロ進行になってしまい、完結まで10年を要する事になる。
僕としてはここまで来たのなら、10年かけて描いた方が良いと思っている。
尾田は完結を急ぎたい気持ちがあるようだけどね。