http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/spv/0606/12/news005_3.html
――しかし人が集まれば、プロモーション的には有利ではないかと思うんですが。

平沢氏: それすら配信のテクニックや、インターネット上でのプロモーションでの仕方次第だと思うんですよ。
音楽というのは聴いてみないとわからないじゃないですか。
聴いてみて良かったらお金を払ってくれればいいと。
半分そういう気持ちがありますね。昔「Grateful Dead」というバンドがありまして、音源はコピーフリー、
それで良かったらコンサートに来てね、という姿勢もあるわけです。

 平沢氏の作品も、自身のサイトからかなりの楽曲が無償でダウンロードできるようになっている。

平沢氏: メジャーレーベルを辞めて自分で配信するようになってからは、作品の売れ行きは伸びて、マーケットも広がってます。
無料のMP3配信を監視していると、ダウンロードが24時間止まらないんです。
そうしているうちに、次は世界中からCDの注文が入ってくる。
そう考えると、無料で音楽を配信すること、コピープロテクトをかけないことは、プロモーションにつながるんです。
これはものすごい威力ですよ。
お金を払ってまで欲しいと思ってくれなければ、やってる意味がない。
違法コピーしてそれで満足してしまうようなものであれば、それは自分のせいだと。
作品がその程度のものでしかないと判断する姿勢を、今のところ持っています。
――つまり音楽配信においても、DRMなど必要ないのだと。

平沢氏: 必要を感じてないですね。
つまり私は音楽がデジタルコンテンツ化以前と今とでは、さほど変わりはないと思っているわけですね。
昔はカセットでコピーして友達同士でやりとりしていたし、オンエアされたものをエアチェックしてコピーしていたわけですよね。
それがデジタルコンテンツになったところで、何を騒ぐんだということですよ。
不思議に思うのは、客を泥棒扱いして、オマエが泥棒ではないということを証明するために補償金を払えと、言ってるわけですよね。
これ自体私には理解できません。
プロテクトや補償金の話はビジネスの問題であって、コピーするしないは倫理の問題じゃないですか。
彼らは倫理を大儀にして、ビジネスしているだけなんですよ。