若いアーティストたちの悲痛な声
交番にほど近い公園では、輪になってフリースタイルを披露するサイファー中の若いラッパーたちの姿も。

アルコール片手に上機嫌な態度とは裏腹に、彼らを取り巻く状況は決して芳しくない。

その日、彼らはあるクラブのイベントに参加していたが、その箱ではアルコールの提供がなく、終演後にどうしても飲みたくなってこの公園にやって来たそうだ。

メンバーの1人は「5月のライブが2本なくなった」と悲痛な声を上げた。

アルバイトと音楽活動で生計を立てている彼にとって、CDを手売りできるイベント出演の存在は大きい。

貴重な収入源であるイベント中止が相次ぐ現状に、「やってられないですね」と笑うしかない。

バイト先も飲食店のため休業を余儀なくされ、八方塞がりだ。

「(緊急事態宣言や自粛要請について)言ってることはわかる。けど、我々も我々で生きてかないといけないんで」

受け止め方は様々だ。上の世代はもっと直接的に国の方針に噛みつく人も多いそうだが、「(政治批判も)わかるけど、そのなかで楽しもうというのが若い人では多い気もしますね」。

都職員の見回りも、効果なし
取材中、東京都職員の一行に出会った。いわゆる“見回り活動”だ。