【朝日新聞】中島岳志「安倍内閣ではコロナ危機を収束できない。今は『石破内閣』しかない」★3  [Toy Soldiers★]
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2020030400004.html
2018年9月に本サイト(論座)に掲載された論考(『中島岳志の「自民党を読む」(1)石破茂』)で、私は石破をVに位置づけた。(加筆の上、拙著『自民党 価値とリスクのマトリクス』(スタンドブックス)に収録)

石破は小泉内閣の閣僚として新自由主義政策を推進し、「自助努力」の重要性や規制緩和の促進を強く押し出してきた。保育園の拡充や若者世代への福祉政策を説いてきたものの、基調は自己責任論であり、リスクの個人化を追求する「小さな政府」論者だった。

価値観における「リベラル」と、お金の配分をめぐる「リスクの個人化」。彼は典型的な新自由主義者であり、小泉構造改革の延長上に位置づけられる政治家だった。

しかし、である。近年、この姿勢に揺らぎが生じている。原稿を発表した後も、石破の発言を追い続けてきたが、この1、2年、新自由主義への懐疑的見解を示し、格差社会の是正に思いを寄せる姿勢が出てきている。

石破はVの姿勢を改め、Uに変化しつつあるのではないか。私は、石破の考えをどうしても聞きたかった。

変わったのか、変わっていないのか。真意を確かめるべく、対談を申し込んだ。

(略)