「いいか。今回の闘龍門で結果が出せなければ、次回作での契約は無しだ」
すいのこ「…って言われたんだよね」
東京某所、カイト宅にはから姐よりも重い空気が流れていた。
「それじゃあカイトスクールはどうなるんだ」
「次回作の発売と同時に解散?」
「すいのこさんがフレ戦してくれないと護身が成り立たないよ」
各々がカイトスクールの行く末を心配し始める。
誰も、すいのこ自身でさえも、すいのこが結果を残すと考えていなかった。
カイトただ一人を除いて。
カイト「…俺は、すいのこは結果を残せると思うよ」
それを聞いて俯くすいのこ。その痩けた顔からは、生気のようなものは感じられない。骨と皮どころか骸骨そのものだ。
バナム「すいのこに足りないのはメンタルだけだ。崖の巧さはSPでもトップだし、反確の精度と火力もピカイチだ。でも、ちょっとしたミスで自分をだめだと思い込んでしまう。それさえ治せば、お前は最強なんだよ」
すいのこは、俯いたままだった。
闘龍門勝者側二回戦、ゆずに敗北し敗者側に転げ落ちたすいのこは、どん底に立たされていた。
すいのこ(また空下が暴発して自滅…今回もダメそうだな)
落ち込むすいのこ。心が折れていることは、誰の目から見ても明らかだった。
そんな彼を見かねて声をかけた人物がいた。aMsaである。 
aMsa「すいのこさん…これ、カイトから」
なんちゃんは袋をすいのこに渡した。すいのこが中を覗くと、すいのこの好きなカルピス原液があった。
すいのこ「これは…」
aMsa「すいのこさんがピンチの時にこれ渡せって言われたんだ。それと…」
aMsa「俺はすいのこさんなら、優勝すらできると思ってるよ」
骨と皮ばかりの男に、ほんの少しの闘志が宿った。
その後は早かった。すいのこはなたを当て、針を当て、跳魚を当て、バナナを当てた。試合直前にはカルピスを原液で飲み、水を一口飲んで喉を整えた。カルピスのおかげか、ミスを犯してもメンタルが崩れることはなかった。
怒涛のルーザーズランをこなしたすいのこはTOP8まで登りつめた。次の相手は、あのライトである。
ライト「…そのカルピス、いつのまに?」
すいのこ「カイト様から。aMsaが持ってきててくれたんだ」
ライト「なるほどなぁ。じゃあ、今日は勝てないなぁ」
数分後、すいのこは勝利した。
ぱせりまんも下しTOP4を決めたすいのこの前に立ち塞がったのは、パルテナ3人。地獄のじゃがいも軍団だった。
長いルーザーズランの影響で、体力ももうない。手は震えていて、カルピスも底を尽きかけている。
すいのこ(しかし、ここで負けるわけにはいかない。応援してくれたの為に、一つでも良い順位を…)
そこに、257th(tearbear/tearbear)のすいのこはいなかった。
じゃがいもとの死闘に全てを出し尽くしたすいのこは、続くGF、Zackrayにウソのようにボロ負けした━━━
「スマブラSP、初のウメブラ!勝者側、けっしょおでええええええええす!!!!」
アユハ「まずはああ!!カイト選手ぅぅぅぅ!!!!!」
アユハ「そしてぇ!!!WP、すいのこ選手
ぅぅぅぅ!!!!」
アユハの声がこだまする。しかし、観客は誰も彼の声を聞き入れていなかった。
誰よりもすいのこの汁を吸ってきたカイトが新作で護身を完成させ、すいのこに挑む。最高のシチュエーションだ。
すいのことカイトは見つめ合い、ニッと笑う。
勝者側決勝が始まった。
終わり