「俺、もうダメなのかなぁ……」
今にも泣き出しそうな顔をして深淵に寄りかかるしりり
その疲れた頭を胸にかき抱きながら、さびしげな笑みを浮かべた深淵が呟く
「大丈夫。しりり君ならきっと、また元通りの人気者になれるよ……深ちゃは信じてるから」
その言葉はまるで幼子を慈しむような語調を帯び……そしてしりりの理性を吹き飛ばした

逆上に駆られるまま深淵をその場に押し倒し、上衣を剥ぎ取るしりり……弾け飛ぶボタン
組み伏せられた深淵は一切の抵抗をせず下着姿のまま、ただ獣欲に支配されたしりりの
姿だけを見ないよう、顔を背けながら荒げた呼吸に合わせて薄い胸を上下させるばかり。
「しりり君がまた面白い動画を作れるようになるなら……深ちゃのこと、すきにしていいよ」
体を抑え付けられたまま首だけを持ち上げ、しりりの耳元に口を寄せてひっそりとささやく

深淵のキャミソールをめくり上げ、ついにその慎ましやかな胸を覆うブラにまで手を掛けた
しりりの脳裏に、偉大なる先人の言葉がめっちゃリバーブの効いた音像でよみがえる……
「(たとえ失意のどん底にあろうとも、自ら深淵に落ち込むような真似を)してはいけない。」
先人の戒めにハッとして我に帰り、半裸の深淵を後に残して駆け出すしりり

・・・

しりりに脱がされた衣服を拾い、再び身に着けながら嘆息する深淵
「しりり君って本当に意気地なし。あのまま深ちゃのことメチャクチャにしてほしかったのに」
お互いに傷を舐め合うような陰キャ同士の(主に肉体的な)関係に発展することを期待して
わざわざエロい下着を選んでこの日に臨んだ深淵にとってしりりから受けた今日の扱いは
まるで肩透かしを食らったようなものであると同時に耐えがたい恥辱でもあった――――。