黒瀬「僕はバーチャルユーチューバーブームというのは、一般に言われているのとは全く逆で、
キャラクター文化の敗北なんだと思う。キャラクター文化というのは、基本的にガチ恋ワンチャンがないことを知りながら、
二次元の世界に導かれるもので、そこに僕はクリエイティブを感じていたんです」
黒瀬「参戦してきたベンチャーの動きを見ていると、おそらく数年くらいのバブルで稼いだ後に、
あっさり大手にバイアウトするつもりなんだと思います。でも、だとしたら、バーチャルユーチューバーの中の子たちは
どうなるのか。彼女たちは自分に与えられた一人のアバターしか生きられない。
一人のアバターで、短期的にフォロワーを増やして、事務所に見捨てられたら最後、
次のキャラクターに転生できず死んでいく。ビジネスとしてみればそれも仕方ないと思うけど、
文化として見るならそんなものは、批評や思想の言葉を動員して応援する価値はないと思います。」