※参考
「恥と自己愛の精神分析」岡野憲一郎著 より

(1)過剰警戒型(抑うつ型)
自己愛を傷つけられるのが怖いため、ひきこもる。
賞賛を得るのは無理だろうとあきらめて閉じこもる。

(2)無自覚型(誇大型)
俗にいうナルシシズム型。「オレが世界一と思っている」

自己愛人格障害については、米国では力動的な考え方に従って
それを二型に分ける動きが見られる。
ギャバード(Gabbard,1989 1994)は、これを
「無関心型」oblivious taypeと
「過敏型」ないし「過剰警戒型」hypervigilant type(ここでは「過敏型」と統一しておく)
とに分ける。
ギャバードによれば、前者の「無関心型」は、他人に対して傲慢であり
自己陶酔的で、周囲がうんざりしているのも気にかけず自分の業績について
得々と自慢するといったタイプである。
それに比べて「過敏型」は、恥ずかしがりやで人前で目立とうとせず、
他人の反応を極度に気にし、他人からの批判にことのほか敏感であるとされる。
ブルーチェック(Broucek,1991)は、この分類の趣旨に同意し、
特に「過敏型」と恥の感情との関係を明確に指摘する。
ブルーチェックによれば、このタイプは、彼の分類による
解離型ナルシシストdissosiative narcissistに相当し、
こちらのタイプは低い自己評価と、頻繁な恥の体験等を主たる特徴とする点が、彼のいう
自己中心型ナルシシストegoistical narcissist(ギャバードの言う「無関心型」に近い)
と区別されるという。