【百万回生きたねこ その弐】
佐野洋子女史の絵本のように最愛の妻に先立たれるなんてのは、
真平御免だ。

自分が現実の社会で株式投資の御手本としている方が居られる。
その方は、住宅ローンを支払い終えた五十歳の時から株式投資を
始められた。
リーマン・ショックも経験されているが、冷静沈着に積み立てて
いかれてたそうだ。
その方が落ち着いて投資が出来たのは、奥様の老後の資金として
始めたと云うことにあるのか知れない。早くから超高齢化社会の
到来は云われていたし、女性の方が長寿であることが多いので、
奥様が百歳迄生きるとして、七十歳の時に一億円の資金があれば
苦労をかけることはないだろうと仰っていた。
あと数年で七十歳を迎えることになるその方は、金融資産が遂に
一億円に達しようとしている。
喜んでいいのか悲しんでいいのか.......その方が、年収で私の得る
ものを超えたことは、一度もない。