ノイズキャンセル廃止、デュアルカメラ非採用ーーXperia XZ2の「なぜ」をソニーモバイルに聞く:週刊モバイル通信 石野純也

「iPhoneもイヤホンジャック無いし」

――18:9のディスプレイを採用している端末は、もっと狭額縁のものが多い印象もあります。この点は、どう捉えているのでしょうか。

染谷氏:特にアンテナのパフォーマンスや、防水の取り組みをしっかり担保する中では、一定の領域が必要でした。
お客様に刷新感を提供しつつ、(通信が必要な)コミュニケーションデバイスであることの立ち位置のバランスを取った形です。

――丸みを帯びたことで厚みが増しています。これについては、どうお考えですか。

染谷氏:流線形を描いて手になじむデザインに、ガラスを使ってプレミアム感を出すということをやっています。
薄くするのも1つの方向性ですが、より手にフィットする形状とは何かを考える中で、このサイズ感や厚さに落ち着きました。
設計構造上のこともありますが、手に取ったとき、エッジがないフィット感を重視しました。

――CESで発表した「Xperia XA2 Ultra」は、フロントカメラがデュアルでしたが、今回はどちらもシングルです。これはなぜでしょう。

染谷氏:お客様の傾向として、そういった方(ミドルレンジ端末を好む方)がセルフィを積極的に使っているということがあります。
そこに応えるため、2つのカメラを切り替える仕様を提案しました。
(シングルなのは)日々の生活の中で使うには、必要十分なカメラの価値は導入済みという判断があります。

一方で、毎日使うものではないのかもしれませんが、(技術発表した)超暗所での撮影はご要望をいただいています。
その(2眼の)技術は別の端末に入れることが前提ですが、それぞれのお客様に応じた形で、商品群をそろえています。

――これまでのXperiaは、ノイズキャンセリングを売りにしていました。
3.5mmのイヤホンジャックがなくなったことで、この機能はなくなってしまったのでしょうか。

染谷氏:Xperia XZ2、XZ2 Compactでは、3.5mmのイヤホンジャックがなくなっています。
背景としては、他社もそうなっていて、オーディオの視聴スタイルが変わってきていることがあります。
具体的には、ワイヤレスで聞くということが進んできています。大幅にデザインを変更する際に、これも考慮して決定しました。

(イヤホンはUSB端子に挿せますが)USB端子に信号を通せないものの1つが、ノイズキャンセリングです。
ワイヤレスヘッドセットの中にもノイズキャンセリングに対応しているものがあり、弊社(ソニー)でも出しています。そうしたバランスを考え、今回は(ノイズキャンセリングを端末側から)外しています。


https://japanese.engadget.com/2018/03/13/xperia-xz2/
https://i.imgur.com/PgQhbLl.jpg