まるでお前らみたいな奴だなw


>そんなふうに、しょっちゅう人の悪口を言っていた治虫は、当然、まわりの人からきらわれていた。と、思いますよね。

いえいえ、じつはまったくきらわれていなかったのです。

悪口を言うだけでなく、いそがしくて原稿がおくれることもしょっちゅうだった治虫は、たしかに、多くの人をこまらせてはいました。でも、治虫を知る人は、だいたい軽く笑みをうかべながら「こまった人でした」と言うそうです。決して、心からこまったような顔はしません。

それはどうしてかというと、みんな知っていたからです。治虫は「すごい」「うらやましい」と思ったときに、ついつい悪口を言ってしまう。このクセを、わかっていたのです。