合田夏樹が役員やってた倫理研究所って実践倫理宏正会とは別団体か。
勘違いしてた。


『ひとのみち』教団の教祖御木徳一氏が初代教祖の位置を隠退すると時とを同じくして、関係者一同と共に検挙された。数名の処女を宗教的暗示によつてだまして犯したという犯罪が、被害者の一人の家族による告訴から露見したといふのである。同氏はその犯行を認めて性犯罪の罪名の下に送局された。
 新聞社会面を一見すると、初めは何か、ひとのみち教団そのものに手入れがあつたやうに読者に感じさせるものがあつたが、検察当局の握つてゐる弱点はまだ教団の教理に触れたものではなく、また教団そのもの――その組織、経済的内実、等――にさへも触れてはゐないのである。今の処問題は全く御木氏一個人の犯罪につきるのであつて、単にこの人物が偶々〈タマタマ〉この教団の始祖であつたというまでであり、あるひは教団の始祖であつたが故に初めて宗教的威力が自由になつたのでかういふ罪に陥つた、といつた方が正しい、といふまでである。

神道系の新宗教であった御木徳一(1871 - 1938)の「ひとのみち教団(当初は御嶽教徳光大教会)」は、戦時中弾圧により解散させられたが、戦後に三つに分派し復活した。一つは御木徳近(1900 - 1983)の「パーフェクト リバティー教団」(PL教団)、一つは丸山敏雄(1892 - 1951)の「倫理研究所」、もう一つが倫理研究所から更に分派した上廣哲彦(1906 - 1972)の「実践倫理宏正会」である。