>>783
>石油禁輸の結果で国内の雇用が減ってしまったが輸入が減った貿易赤字が減った状態
これは異なる
1940年当時は、支那事変をバリバリ戦ってるから、国内はむしろ人手不足なぐらいで、石油禁輸によって雇用問題が発生したわけではなかった
そもそも当時、石油は民間部門であまり消費されてない(商船すら、石炭船が主流だった)
石油を必要としたのは艦船と航空機、つまり海軍の都合であって、このままだと海軍が破滅するという危機感から、現状打開策として対英米宣戦が採用されている

もちろん、石油以外の経済制裁(産業機械の輸出制限や、日本産綿製品の輸入制限)も含めると、
英米の措置は、日本経済に直接的な影響を与えてはいたのだが、それがただちに経済を沈下させるほど、輸出入に依存した日本経済ではなかった
経済よりも軍事が輸入に依存していたというのが実態で、軍の都合によって開戦せざるを得なくなった

歴史的には、自由貿易から保護貿易への「極端な移行」が、軍事的な対立に発展する場合が多い
表面的に、保護貿易化こそが戦争への道という結論が導かれることも多いが、
そもそも自由貿易を拡大させすぎて維持不能になったからこそ、保護貿易への極端な移行が起きたとも断言できる以上、
まず自由貿易の制御に失敗したことが、諸々の危機を引き起こし、他の要因と相まって戦争を引き起こしたと言うほうが適切だろう

教訓として、持続可能で穏健な貿易こそが適切と言えよう
今日、自由貿易の結果、アメリカの労働者の待遇が悪化し、白人男性の死亡率が上昇するような異常事態が生じている現状は、持続不可能とも言え、だからこそトランプが当選できた
日本においても、自由貿易が賃金の抑制に寄与しているのは自明で、いずれ臨界点に達するかもしれない