幼年期の思考ってのは自他の境界が曖昧で、他人を認識できないから
自分の知っていることは誰もが知ってる、みたいな錯覚を起こす。
他者と触れ合うことなく育つとそれが顕著になり、ニュースを見ても
自分と何か関係がある、世界の全ては自分と繋がっているという
妄想へと変貌する。
また、この「何かと何かが繋がっている」という発想は、各々の事象に対して
個別に認識しないといけないところを「アレと同じ」という括りでまとめてしまい
新しい知識を受け入れることができなくなってしまう。
要するに、記憶、実験、考察などといったプロセスが不可能になるのだ。
沢村はフィルターバブルに閉じ込められた初老の50歳児。
もう泡の中から出てくることはあるまい。
ママ年金の尽きるまで