「二日酔い」遺伝子が老化を引き起こす仕組みを解明 ~よく使われる遺伝子の傷は素早く治される~

 名古屋大学 環境医学研究所 (所長: 林 良敬 教授) 発生遺伝分野の岡 泰由 講師、中沢 由華 講師、嶋田 繭子 技術員、荻 朋男 教授らの研究グループは、アルデヒドによりできたDNAの傷が素早く治される仕組みを解明することで、遺伝性早老症や老化の原因の一端を明らかにしました。

 お酒の中に含まれるアルコールは、アルデヒドに代謝されたのちに無毒化されます。
 お酒を少量飲むだけで気分が悪くなってしまうのは、遺伝的にアルデヒド分解酵素ALDH2注2)の活性が弱いため、アルデヒドを分解できなくなることが原因です。
 2020年に同研究グループは、ADH5注3)と呼ばれる別のアルデヒド分解酵素がALDH2と同時に働かなくなることで、AMeD症候群注4)という遺伝病を発症することを報告しています (岡ら, Science Adv. 2020 -参考文献)。
 今回の研究では、体内で分解できずに残ったアルデヒド由来のDNAの傷がAMeD症候群で蓄積することや、この傷の除去に未知の仕組みが関与することを明らかにしました。
 今回の研究は、急速に老化が進行する希少疾患の原因の一端を解明したものであり、治療ターゲットの創出に繋がると期待されます。さらに、老化原因物質として、アルデヒドを新たに提唱するものです。

 本研究成果は、2024年4月10日18時(日本時間)に国際学術誌「Nature Cell Biology」に掲載されます。

(以下略、続きはソースでご確認ください)

名古屋大学 研究成果発信サイト 2024.04.11
https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2024/04/post-650.html