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2024/03/12(火) 09:06:14.37ID:Qe+tG5TKScience Portal
髪の毛の主成分のケラチンを極小の球体ゲルにして皮膚に塗ると、発毛や育毛の効果があることを、筑波大学の研究チームが実証した。毛の生える速さが増すことがマウスで確認できた。中高年男性向けの発毛・育毛剤は市場に出回っているが、人体の成分を使用するため、副作用が少なく、薬を使用しにくい産後の女性の抜け毛などにも活用できると見込んでいる。今後、化粧品として製品化し、ヘアサロンや床屋での販売を目指す。
髪の毛や爪、皮膚を構成するケラチンはタンパク質の一種で、何万~何十万という分子量で鎖状につながっている。筑波大学数理物質系の山本洋平教授(材料化学・高分子化学)は、元々様々な物質を極めて小さなサイズで球体化する実験を重ねてきた。中高年向けの発毛・育毛剤である「ミノキシジル」に効果があることは知っていたため、当初は球体にしたケラチンの中にミノキシジルを入れたポリマーを作って、毛根に直接高濃度に作用するよう薬剤を運ぶ、いわゆる「キャリア」のような形で使えないかと考えていた。
山本教授は、羊毛由来の水溶性酸化ケラチンを、スプレーを使いミスト状にして酢酸エチルの中に吹き付けた。すると、脱水してケラチンがマイクロ(1マイクロは100万分の1)サイズで糸まりのように固まる。この糸まり状のケラチンを水に溶かした「ケラチンマイクロ球体ゲル」を、共同研究した筑波大生命環境系の礒田博子教授に渡したところ、ミノキシジルは入れずに試しにそのまま塗ってみてはどうかと想定外の提案をされた。
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