0001エリオット ★
2023/01/06(金) 14:29:42.67ID:3mvHpEpw※1…炭素に富む岩石主体の隕石である炭素質コンドライトの分類の1つ。変成作用をほとんど受けておらず、太陽系初期の情報がそのまま保存されていると推定されています。代表的な隕石は「イヴナ(Ivna)隕石」です(CIコンドライトの「I」はイヴナ隕石に由来します)。
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【▲ 図1: リュウグウのサンプルの電子顕微鏡写真。いくつかある黄色い斑点が高温生成鉱物であり、その大きさは極めて小さいことがわかる。 (Image Credit: Kawasaki, et.al.) 】
その一方で、リュウグウやCIコンドライトからは、橄欖(かんらん)石・輝石・スピネルといった、1000℃以上でないと生成しない高温生成鉱物が見つかっています。これらの鉱物は低温の水ではほとんど変質しないため、太陽系誕生時の情報……特にリュウグウで言えば、水による変質が起こった500万年前よりも前の情報をほぼそのまま保持していると考えられています。しかし、その量は極めてわずかである上に、結晶の大きさは20µm (0.02mm) 以下と極めて小さいため、詳細な分析が困難でした。
北海道大学の川崎教行氏を筆頭著者とする研究チームは、リュウグウの試料および比較対象となるイヴナ隕石について、困難な高温生成鉱物の分析に挑みました。具体的には、北海道大学にある同位体顕微鏡を使用して、高温生成鉱物に含まれている酸素同位体 (※2) の比率が決定されました。基本的に同位体の比率は鉱物が生成された環境を反映するため、リュウグウの高温生成鉱物がどこで生じたのかを推定することができます。
※2…元素の種類は原子核に含まれる陽子の数で決まりますが、陽子の数は同じでも中性子の数は異なる原子核が存在する場合があります。このような関係にある原子核を同位体と呼びます。
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【▲ 図2: リュウグウとイヴナ隕石の酸素同位体比率の分析結果のプロット図。右上に位置する惑星型と左下に位置する太陽型に分割されることがわかる。 (Image Credit: Kawasaki, et.al.) 】
分析の結果、リュウグウの高温生成鉱物の酸素同位体は、はっきりと2つのグループに分かれることが判明しました。この結果は、リュウグウの試料を分析した別の研究チームの結果とも一致します。電子顕微鏡で観察した鉱物の結晶面ははっきりしているものが多く、表面の一部が変質していても内部までは変質が及んでいないことが示されました。
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2023-01-06
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