約4億年前、水の中で暮らす脊椎動物の一部が陸に上がった。肺を使いこなして呼吸が楽になると、待っていたのは陸上の生活を謳歌する日々だった。だが新型コロナウイルスは2020年に広がるやいなや、その子孫である人間の肺をむしばみ、呼吸を肺だけに頼るもろさを浮き彫りにした。肺呼吸への進化は最善だったのか。新型コロナの出現は、これまで想像もしなかった思いを抱かせた。

人間は腸でも呼吸ができる――。東京医科歯...

続きは有料会員で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC1745B0X11C22A0000000/