仏教の経典を学習させた人工知能(AI)が、仏像の姿でスマートフォンの中に現れ、悩みに自動で回答するシステムを、京都大などの研究チームが開発した。世界最古の仏典「スッタニパータ」など2種類の経典を機械学習させており、利用者の相談内容に応じて1000通りの答えを返すことができる。

チームが2021年に発表した対話型AI「ブッダボット」に、拡張現実(AR)の技術を組み合わせたのが特徴。従来は文章のやり取りだけだったが、今回はスマホのカメラ機能も活用し、利用者がいる場所を背景に仏像が浮かび上がる。質問を文字や音声で入力すると画面の仏像が回答し、「目の前にいるブッダと対話している感覚が得られる」という。

 現在は利用者の年齢や性別などを問わず、同じ回答になる。当面はイベントなどで限定公開し、改良を重ねると共に、仏像利用への社会の理解を得て一般利用を目指す。

https://mainichi.jp/articles/20220907/k00/00m/040/227000c