https://www.cnn.co.jp/storage/2022/08/16/941db5f5c92ba19343d872cccd02e5c1/t/768/432/d/220812144651-new-species-deep-sea-isopod-super-169.jpg
メキシコのユカタン半島沖で発見された「バシノモス・ユカタネンシス」/Journal of Natural History

(CNN) メキシコ湾で発見された巨大な深海甲殻類が新種と特定された。その外見は映画「エイリアン」に登場する架空の生物フェイスハガーと驚くほど似通っている。

新種の学名は「バシノモス・ユカタネンシス」。深海で生き物の死骸をあさる巨大等脚類の一種だ。体節に分かれた体に14本の脚が付いており、より小型の近縁種であるワラジムシに似ている。

人間の足ほどに巨大化した理由は「深海巨大症」にあるとみられている。海底に生息するイカが巨大化するのと同じ現象だ。

台湾と日本、オーストラリアの研究チームは今回、この新種を熱帯西太平洋の全域で見つかる巨大等脚類「バシノモス・ギガンテウス(和名ダイオウグソクムシ)」と区別することを試みた。研究結果は10日付の自然史専門誌に掲載されている。

研究チームはメキシコのユカタン半島沖で新種の個体を採集。これを台湾や香港で採集された他の個体と比べた結果、クリーミーな黄色の体色やより細長い体つきなど、他種と区別できる特徴を特定することができた。

DNA分析でもバシノモス・ユカタネンシスと近縁種の違いが示された。ただ、これらは異なる種とはいえ非常に似ており、研究者らは「バシノモス属には種を誤認してきた長い歴史がある」と認めている。

2022.08.16 Tue posted at 12:33 JST
https://www.cnn.co.jp/fringe/35191910.html


■関連リンク
バシノモス属の新種についての研究論文
A new species of Bathynomus Milne-Edwards, 1879 (Isopoda: Cirolanidae) from the southern Gulf of Mexico with a redescription of Bathynomus jamesi Kou, Chen and Li, 2017 from off Pratas Island, Taiwan
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/00222933.2022.2086835

鳥羽水族館公式ウェブサイト
飼育日記:新種のオオグソクムシ属
https://aquarium.co.jp/diary/2022/08/59946