解熱鎮痛剤として使う処方薬「カロナール」について、後藤茂之厚生労働相は29日の閣議後会見で、新型コロナウイルスの感染拡大で需要が急増し、一部で供給不足が生じていると明らかにした。医療機関や薬局に対し、買い占めをしないように呼びかけ、ほかの薬が使える患者には処方や販売を控えるように求めた

 カロナールは、アセトアミノフェンの成分を使う解熱鎮痛剤の商品名で、子どもや妊婦も含めて幅広く使える。しかし、想定を超える需要を理由に、製造元のあゆみ製薬(東京都)が27日から出荷調整を始めた。

 ただ、解熱鎮痛剤はほかにもあり、15歳以上にはロキソプロフェンを成分とする薬、子どもに対してもイブプロフェンを成分とする処方薬が使える。後藤氏は、カロナールについて「必要とする患者に優先的に供給できるようにする」と述べ、ほかの薬が使える患者には使用を控えてもらう方針を示した。今後も、感染状況や薬の需給状況を注視していくという。(市野塊)

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