全国学力調査の結果が28日、公表された。平均正答率が前回を17ポイントほど下回った中学3年の理科をめぐっては、実験の頻度が大きく減ったことが判明。新型コロナウイルスが影響したとみられる。学校現場には、学習指導要領がめざす「探究」の機会が減りかねないとの危機感がある。

「やりたい人いる?」

 4月、東京都練馬区の区立開進第四中学校。上田尊(たける)教諭(40)が、普段の教室で3年生33人にそう呼びかけた。電気抵抗の違う2種類の金属線を直列と並列につなぎ、どちらが多く発熱するか確かめる実験。1人の男子生徒が立候補し、金属線に発泡スチロールをあてるのを、他の生徒たちは自席から見つめた。

 開進第四中では、新型コロナの流行前まで全ての実験を理科室で行ってきた。だが、理科室はテーブルごとに数人が集まるため、感染拡大につながりかねない。ビーカーなどの実験器具を複数の生徒が使い回すこともリスクがあるとみなされ、教室で行うことになった。実験動画をみるだけ、ということも少なくない。

https://www.asahi.com/articles/ASQ7X5SY1Q7VUTIL05P.html