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【▲ トンガの火山噴火がKAGRAにもたらした振動(中央の波形)。国立天文台プレスリリースより(Credit: JMA, NOAA/NESDIS, CSU/CIRA, KAGRA collaboration) 】
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【▲ 重力波望遠鏡「KAGRA」中央実験室内の様子(Credit: ICRR GW group)】
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【▲ サファイア鏡(中央の丸い構造)が組み込まれた重力波望遠鏡「KAGRA」の防振装置(Credit: 東京大学宇宙線研究所)】

KAGRAは長い距離を進むレーザー光を利用した「レーザー干渉計」と呼ばれる仕組みを用いて重力波を検出する観測装置です。


重力波による時空のひずみは本当にわずかなものであるため(ICRRによれば、地球から太陽までの距離が水素原子ひとつぶん変化する程度)、人間の活動にともなう振動はもちろん、風や波といった自然現象にともなう振動でさえも「雑音」となって、観測に影響を及ぼします。
そこでKAGRAでは、レーザー干渉計を地下に設置して振動の影響を和らげたり、摂氏マイナス253度まで鏡を冷却して原子の振動(熱振動)による影響を抑えたりしています。

こうした対策を施した上でもなお観測に影響する雑音を重力波と区別するために、KAGRAのレーザー干渉計がある地下実験施設や神岡鉱山跡の地上では、地震計・空振計・気圧計・磁力計といった様々な計測器が、環境データを集めています。
発表によると、これらの計測器が、KAGRAから8000km以上離れた場所で起きたトンガの火山噴火にともなう影響を捉えていたといいます。

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【▲ 左:トンガと日本、神岡の位置関係と、環境データの計測場所等を示した図。右:計測器が捉えた環境データを示した図(Credit: 東京大学宇宙線研究所)】

またICRRは、このように様々な種類の信号を高い精度で同時観測できる施設は世界的にも珍しいとしており、地球物理学、気象学、防災分野にとって有用になることが考えられると言及しています。