インフルエンザと新型コロナに同時に感染したらどうなる?
今年はインフルエンザの予防接種を忘れずに、その理由を感染症の専門家2人が解説する

 かかりつけ医から予防接種を勧める案内が届き、近所の薬局には「インフルエンザの予防接種、受けられます」というチラシが貼られる――米国の秋の風物詩だ。

 ただ、今年はいつもの秋とは違う。
 季節性インフルエンザと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の両方が同時に大流行する「ツインデミック」の恐れがあるからだ。
 専門家の研究では、この2つの感染症に同時にかかる可能性があることが示されている。

 米国では、季節性インフルエンザを、考えられているほどには、深刻に受け止めてこなかったと見ていいだろう。
 とういうのも、米国疾病対策センター(CDC)によれば、19年に米国でインフルエンザの予防接種を受けた成人は45%にとどまるからだ。
 季節性インフルエンザは悪化すれば死に至ることもある病気で、過去10年間で、年平均3万7000人が亡くなっているにもかかわらずだ。
 (参考記事:「スペインかぜ5000万人死亡の理由」)

 インフルエンザと新型コロナの両方に感染することは、医療システムから見てもかつてない脅威だ。
 季節性インフルエンザに限らず、鳥インフルエンザが人間に感染して、新しいパンデミックを引き起こす最悪の事態も見据えなければならない。

 そこで、ナショナル ジオグラフィックは、感染症の専門家2人に、二重の脅威に直面する今年、何が問題点なのか、そしてインフルエンザの予防接種はできるだけ早く受けるべきなのかを聞いた。
 なお、以下のインタビューは、要点を簡潔にお伝えするため、編集していることをお断りしておく。

ナショジオ 2020.09.23
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/091800550/