ノーベル賞最有力候補「ゲノム編集」が本命とは言えない理由

■なぜゲノム編集研究はノーベル賞受賞を逃しているのか

 ゲノム編集は、生物の遺伝情報を正確に改変できるバイオテクノロジーである。
 この技術にノーベル賞が授与されることを疑うライフサイエンス研究者はおそらくいない。

 しかしゲノム編集が、ここ2、3年、筆頭候補として挙げられ、メディアからも9月になると毎年のように問い合わせを受けるが、連続して受賞を逃している。
 これだけの技術なのだから、開発されて日が浅くても受賞してもおかしくないのになぜ? と、研究者を含めて多くの人が疑問に思っているかもしれない。

 しかし、これにはいくつかの理由が考えられる。
 1つには、ゲノム編集の技術の権利関係が非常に複雑で、基本特許について裁判が複数の国で続いていることがあげられる。

 米国カリフォルニア大学バークレー校(以下UCバークレー)のジェニファー・ダウドナ博士と独国マックスプランク研究所のエマニュエル・シャルパンティエ博士は2012年に画期的なゲノム編集ツールであるクリスパー・キャス9を開発した。
 ほぼ同時期にリトアニアのビリュニュス大学のビルギニユス・シクスニス博士も開発を発表した。

 加えて、世界のゲノム編集研究者がクリスパー・キャス9の開発に乗り出し、米国ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学が共同運営するブロード研究所(以下ブロード研)が次々とクリスパーに関連する技術開発を進めてきた。

 ノーベル賞候補者としては、前述のダウドナ博士とシャルパンティエ博士、シクスニス博士に加えて、ブロード研のフェン・チャン博士があげられる。

(以下略、続きはソースでご確認下さい)

現代ビジネス 8/20(木) 11:01
https://news.yahoo.co.jp/articles/09a390ccb689dcc922168893a552dd7f01ebfcf1