中国が初めて火星への着陸を目指す無人探査機「天問1号」を載せた大型ロケット「長征5号」が23日午後0時41分(日本時間同1時41分)、海南省の文昌発射場から打ち上げられた。探査機は火星に向かう軌道に予定通り投入され、打ち上げは成功した。国営中央テレビが伝えた。


 探査機は約7カ月かけて火星に到着。中国共産党創立100年に当たる2021年に着陸させて、「宇宙強国」への前進をアピールする狙いだ。軟着陸に成功すれば、米国に続き世界で2カ国目となる。
 火星が地球に近づくタイミングに合わせ、今月20日には、アラブ首長国連邦(UAE)の火星探査機「HOPE」が鹿児島県・種子島宇宙センターから打ち上げに成功。米国も近く打ち上げ予定で、火星を舞台にした米中の争いも注目される。
 中国は11年11月に火星探査機「蛍火1号」をロシアのロケットで打ち上げて失敗したが、自前のロケットを使う今回を初の火星探査ミッションと位置付けている。「天問1号」は、火星の軌道を回り続ける周回機と、表面を走行する探査車を積んだ着陸機で構成。火星の地質構造や水の分布などを調査する計画だ。
 中国は19年1月に世界で初めて月の裏側に無人探査機を着陸させるなど、「軍民融合」で宇宙開発を加速している。

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