→散らばったネアンデルタール人の遺伝子を集めて復元した
→iPS細胞からヒトの遺伝子を叩きだし、代わりにネアンデルタール人の遺伝子を入れた
→iPS細胞から人工培養脳(脳オルガノイド)を作ることでネアンデルタール人の脳を復元できた

新しく行われた研究で、ネアンデルタール人の遺伝子を持った、人工培養脳(脳オルガノイド)を作成することに成功しました。

現在のアフリカ人以外の人類には、ネアンデルタール人の遺伝子が細かくバラバラになって含まれていることが知られています。

研究者はこれら人類のなかに散らばった遺伝子をかき集めると共に、発掘されたネアンデルタール人の骨から抽出した遺伝子を加えて、その遺伝子を大部分を復元させることに成功しました。

次いで、ヒトiPS細胞(万能細胞)からヒトの遺伝子を抽出し、代わりにネアンデルタール人の遺伝子を代入することで、ネアンデルタール人のiPS細胞(万能細胞)を創造し、脳に変化させることでネアンデルタール人の脳(培養脳細胞:脳オルガノイド)を復活させました。

絶滅から4万年の時を経て蘇ったネアンデルタール人の脳は、人類に何を語りかけてくるのでしょうか?

■ネアンデルタール人の遺伝子をパッチワークで復元する

ネアンデルタール人の遺伝子はアフリカ人以外の人類の遺伝子に平均して2%前後、含まれているとされています。
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ですがこれらネアンデルタール人の遺伝子は現代人の遺伝子に溶け込んだ状態にあり、ヒトによって保持しているネアンデルタール人の遺伝子はバラバラで、脳や胃、皮膚、髪、筋肉など、異なる部分で働く、異なるDNA断片として存在しているのです。

しかし、これらバラバラになった遺伝子を組み合わせることができれば、ネアンデルタール人の遺伝子(全ゲノム)を復元させることも可能となります。

計算上では、僅か200人の現代人の遺伝子を調べることで、ネアンデルタール人の全遺伝子の20%を回収することが可能とのこと。

そこでドイツの研究者は、ヒトから採取したネアンデルタール人の遺伝子と、洞窟の中から発掘されたネアンデルタール人の骨の遺伝子を組み合わせることで、絶滅した種族の遺伝情報のかなりの部分を再生させることに成功しました。

しかし、遺伝情報を集めただけでは、機能はわかりません。

どうすれば、情報だけになってしまった彼らを受肉させられるのでしょうか?

■ネアンデルタール人の遺伝子をもった人工培養脳(脳オルガノイド)を作る


鍵となったのは、iPS細胞(万能細胞)でした。

遺伝子の復元が粗方終わると、研究者たちはヒトiPS細胞(万能細胞)からホモ・サピエンスの遺伝子を抜き取り、代わりにネアンデルタール人の遺伝子を組み込むことで、ネアンデルタール人のiPS細胞(万能細胞)を作成しました。
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そしてiPS細胞を脳細胞に変化させ、ネアンデルタール人の脳(人工培養脳:脳オルガノイド)を作成しました。

近年の急速なバイオテクノロジーの進歩により、たった一つのiPS細胞(万能細胞)から脳を含めたあらゆる体のパーツを試験管内で作成することが可能になっています。

続きはソースで


https://nazology.net/archives/62902