■南極初の卵化石も巨大で柔らかかった、卵化石の論文が「ネイチャー」に2報

モンゴルの砂漠とアルゼンチンの高地で見つかった化石が、恐竜のものとしては初めての発見となる、「柔らかい殻をもつ卵」の化石だったことが判明した。そこから、恐竜の産卵と子育てについて、新たな様相が浮かび上がってきた。初期の恐竜は、繁殖に関しては現代の爬虫類によく似ていて、産んだ卵は穴に埋め、その世話をすることはなかったようだ。

 この論文は6月17日付けで学術誌「ネイチャー」に掲載された。「ネイチャー」の同じ号にはまた、南極大陸で初めて発見された、おそらく海生爬虫類のものと思われる柔らかい卵の化石についての論文も掲載されている。

 今回報告された卵化石はどれも、保存状態の良さはもちろん、存在すること自体が科学者たちを驚愕させるのに十分だった。米テキサス大学オースチン校の古生物学者で、片方の論文の共著者であるジュリア・クラーク氏は、「天と地には私たちの想像を絶するものがあるのです」と話す。

■硬い卵ばかりだった

 これまでの数十年間で発見された恐竜の卵は、いずれも硬い殻をもっていた。恐竜の唯一の生きた子孫である、現代の鳥類の卵と同じだ。鳥の卵の殻が硬いのは炭酸カルシウムの層が含まれているからで、そのおかげで親鳥は卵の上に乗って抱卵することができる。

 古生物学者たちは、恐竜も同じような戦略をとっていたと想像していた。しかし、これまでに見つかっている恐竜の卵のほとんどが、恐竜の進化の後期にあたる白亜紀のものであり、初期の恐竜の卵は見つかっていなかった。今回の発見で、その理由がわかった可能性がある。初期の恐竜の卵は柔らかくて革のような殻だったため、分解してしまい、化石化しにくかったと考えられるのだ。

 今回の2つの研究は、恐竜や古代の爬虫類の繁殖に関して、多くの知識を授けてくれる。

「化石記録は骨格だけではありません」と、両方の論文を査読したスウェーデン、ルンド大学の古生物学者ヨハン・リンドグレン氏は話す。氏は、古代の海生爬虫類の脂肪など、化石化した軟組織を分析している。「ときに、それ以上のものが見つかることがあります」

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