京都の治安維持のために江戸幕府が作った行政機関「京都所司代(しょしだい)」の建物跡が見つかった。発掘調査をした民間調査機関の古代文化調査会(神戸市)が10日、発表した。高低差をつけて設置された珍しい構造の導水設備跡も確認された。

 京都所司代は江戸時代の初期ごろ、朝廷や公家の監察や西日本の諸大名の監視をするため、二条城(京都市中京区)の北側に設けられた。大政奉還後の1867年に廃止されるまで、各地の譜代大名が所司代として勤務した。政庁があった上屋敷と、スタッフの住居だった中屋敷および下屋敷の3カ所に分かれていた。

 今回の調査は、ホテル建設にあわせて上屋敷跡地の一部で実施された。

 見つかったのは、18世紀後半以降に建てられた門や馬をつなぐ建物の跡、17世紀後半以降に造られたとされる庭池の遺構など。所司代はこれまで、江戸幕府の大工頭だった中井家が作った絵図などからうかがえるだけだった。見つかった建物跡は絵図に描かれていたものと位置が一致した。

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