南海トラフで巨大地震が起きる可能性を評価する定例の検討会は、「特段の変化は観測されていない」とする見解をまとめました。

専門家で作る検討会は、新型コロナウイルスの影響で今回も書類のやり取りで定例会を開催しデータを分析しました。

南海トラフの想定震源域やその周辺では、先月2日から7日にかけて紀伊半島西部で、先月17日から23日にかけては四国西部で、プレートの境目付近を震源とする「深部低周波地震」と呼ばれる小規模な地震が観測され、これに伴って周辺の複数の「ひずみ計」や傾斜データでも、わずかな変化がみられたということです。

これは比較的短い期間に、想定震源域の深いところのプレートの境目がゆっくりずれ動く「短期的ゆっくりすべり」が原因とみられるということです。

また、去年から四国中部と志摩半島で、これまでの傾向とは異なるわずかな地殻変動が観測されています。

これは、プレートの境目が年単位でゆっくりとずれ動く「長期的ゆっくりすべり」が原因と考えられ、いずれもこれまで繰り返し観測されてきた現象だということで、検討会は「大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」とする見解をまとめました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200605/K10012460021_2006051925_2006051933_01_02.jpg

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200605/k10012460021000.html