6/2(火) 11:03配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/d44d14ce2b4d9eb9cfd7343fb2ab3f73a99f20a6

 慶応大先端生命科学研究所(鶴岡市、冨田勝所長)などの研究グループは1日、細胞内のDNA塩基配列について、異なる2種類の塩基を同時に置換できるゲノム(全遺伝情報)編集技術を世界で初めて開発したと発表した。作物の品種改良、遺伝子治療など生物学や医学分野での幅広い応用が期待できるとしている。

 慶応大、東京大、神戸大それぞれの学生や研究員らが共同で取り組んだ。DNAは、4種類(A、T、G、C)の塩基が二つずつ対になって二重らせん構造に並んだ分子で、遺伝情報が記録されている。これまでの編集技術では「CからT」「AからG」のいずれかしか塩基を置き換えることができなかったが、研究グループはそれぞれの置換を引き起こすタンパク質を一つに融合させた塩基編集ツール「ターゲット・エースマックス」を開発し、両方同時の置換が可能となった。

 共同研究に携わった慶応大先端研の谷内江望(やちえのぞむ)特任准教授は「さまざまな細胞において、より多様な塩基編集が可能になった」と話している。研究成果は同日付の英国科学誌ネイチャー・バイオテクノロジーのオンライン版に掲載された。