→巨大な頭をもつアリのグループは単一な進化の結果によってできたのではない
→進化は常に一方向に向かうのではなく停滞と迷走を繰り返している

セファロット種属と呼ばれるアリのグループには、頭部を巨大化させ、「生きたドア」として機能しているものが存在します。

彼らは兵隊アリで、巨大な頭部によって巣穴の入口を塞ぎ、外敵に対してバリケードを構築しています。この生きたドアは敵味方の識別も可能で、安全が確保されれば、仲間のアリをちゃんと通してくれるようになっています。

ドアの形は実に様々であり、種ごとの防衛戦略によって、塞ぎ方は大きく異なっています。

これまで研究者たちは、様々なドアを持つ種は、単一の簡素な頭部しか持たない先祖から派生したと考えていました。

しかし今回、アメリカの研究者たちによって、兵隊アリを持たない種を含めた、広範なセファロット種属の遺伝子の解析が行われた結果、共通の先祖もまた、巨大な四角い頭部を持っていたことが明らかになりました。

また現存するアリのなかには、異なる2つの頭部形態に、5回も繰り返し行き来する変異を行ったものも含まれていました。

「三歩進んで三歩下がるを」繰り返す変異は、進化の本質を問う難題です。アリたちに起きた進化の迷走は、本当に対岸の火事なのでしょうか?

研究内容はジョージ・ワシントン大学のスコット・パウエル氏らによってまとめられ、3月9日に学術雑誌「PANS」に掲載されました。

Trait evolution is reversible, repeatable, and decoupled in the soldier caste of turtle ants
https://www.pnas.org/content/early/2020/03/03/1913750117

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