2020-03-05松村武宏

小惑星「ベンヌ」からのサンプル採取を目指して準備を進めているNASAの小惑星探査機「オシリス・レックス」。オシリス・レックスに搭載されている観測装置のひとつが、偶然にも3万光年先から届いたX線バーストを観測していたことが明らかになりました。



■捉えたのはMITとハーバードの学生や研究者が作った観測装置

X線バーストが観測されたのは昨年2019年11月11日のこと。オシリス・レックスに搭載されているX線観測装置「REXIS(Regolith X-ray Imaging Spectrometer)」が、ベンヌの表面ではない宇宙空間、「はと(鳩)座」の方向でX線を放つ天体を捉えました。ハーバード大学のBranden Allen氏が最初に確認したところ、これまでに該当する天体は記録されていないようでした。
さらに確認を進めた結果、REXISによる検出よりも10日ほど前、国際宇宙ステーション(ISS)に搭載されている日本の全天X線監視装置「MAXI(Monitor of All-sky X-ray Image)」によって、同年11月2日に初めて検出された天体だったことが判明しました。「MAXI J0637-430」と呼ばれるこのX線源は、地球からおよそ3万光年先、天の川銀河のハロー(銀河ハロー)に位置するブラックホール連星(ブラックホールと恒星から成る連星)とみられています。
REXISの本来の目的は、元素が放つ蛍光X線を観測することにあります。太陽から放射されたX線がベンヌに降り注ぐと、表面にある元素からそれぞれ固有の蛍光X線が放射されます。この蛍光X線を観測することで、ベンヌの表面にはどのような元素が存在し、どこに分布しているのかを調べることができます。

     ===== 後略 =====
全文は下記URLで

https://sorae.info/astronomy/20200305-rexis.html