2019年11月07日04時31分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019110700112

避妊薬を含む微小針が多数並んだパッチの試作品。
皮膚に貼って剥がすと針が残り、避妊効果が1カ月以上続く(米ジョージア工科大提供)
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 皮膚に1回貼って剥がすだけで、避妊薬を含んだ多数の微小な針が残り、避妊効果が1カ月以上持続するパッチを開発したと、米ジョージア工科大などの研究チームが6日付の米科学誌サイエンス・アドバンシーズに発表した。避妊薬は緊急避妊ピルの成分として知られる黄体ホルモン「レボノルゲストレル」を使い、ラットの実験で機能を確認した。

 この微小な針はマイクロニードルと呼ばれ、皮膚内で自然に分解される。痛みを伴う注射に代わる手段として世界的にさまざまな素材で開発され、化粧品分野では商品化されている。

避妊薬を含む微小針が多数並んだパッチの試作品。皮膚に貼って剥がすと針が残り、避妊効果が1カ月以上続く(米ジョージア工科大提供)

 研究チームは医薬品に使われる「乳酸グリコール酸共重合体(PLGA)」を針の素材とし、1本の長さが0.6ミリ、先端の直径が0.01ミリ以下の針を多数並べたパッチを作製。皮膚に貼ると1分で針の根元が化学反応でパッチシートから分離し、避妊薬を含んだ針だけが皮膚内に残るよう工夫した。