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2019/07/01(月) 00:18:30.82ID:CAP_USERhttps://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190629-00010005-giz-sci
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2019/6/29
YAHOO!JAPAN NEWS,ギズモード・ジャパン
【科学(学問)ニュース+】
物理界のはぐれメタル捕獲で、人類の経験値が爆上がりするかも。
80年以上前、物理学者のユージン・ウィグナーが、水素に特定の温度と圧力をかけると金属になりうる、と予測しました。
水素って目に見えない気体のイメージですが、それが金属になるっていうコンセプトがメタルスライムっぽくていいですね。
その後数々の研究者が金属水素の生成に挑戦してきたのに誰も見つけられてないっていう意味では、
はぐれメタルといったほうがいいかもしれません。
が、ついに今、ある研究チームがそれに成功した…のかもしれません。
フランス原子力庁のPaul Loubeyre氏を中心とする研究チームが、
液体水素に地球の核内部以上の圧力をかけた実験結果についての論文をarXivにポストしました。
Loubeyre氏らは、液体水素に今までにない高い圧力を与えることで、金属のような性質を呈したと言っています。
ただこれまでにも、たとえば2017年にハーバード大学の研究チームが、
その前には2012年にドイツのマックス・プランク研究所のチームが、
金属水素の生成成功を主張していましたが、どちらもわりと懐疑的な反応をされていて、
その主張の正しさも確認できていません。
でも専門家の中には、今回こそは本物だと考えている人たちもいます。
・金属水素ってすごいの?
■■中略
・この実験のミソ
論文を書いたLoubeyre氏らはまずこれまでの研究を生かし、
ダイヤモンドアンビルセル(ごく小さなダイヤモンドふたつの間にサンプルをはさんで超高圧をかける機械)で気体状の水素を310GPaで圧縮し、
固体の水素を生成しました。
そして彼らは圧力をさらに上げていき、粒子加速器のSOLEILシンクロトロンが出す赤外線に水素サンプルがどう反応するかを計測しました。
すると圧力425GPa前後、温度80ケルビン(摂氏マイナス193.15度)の状態で、サンプルが突然すべての赤外線を吸収し始めました。
この状態は論文では「バンドギャップが埋まった」と書かれてるんですが、言い換えると、
エネルギーを加えなくても水素サンプル上を電子が通れるようになったということです。
まとめると、彼らは水素ガスを超コンパクトに圧縮して量子閉じ込め効果を利用することで、
水素に金属のような電気を流す性質を与えることができた、と言ってるわけです。
論文によれば、この実験を成立させた要素がふたつあります。
ひとつは、ダイヤモンドアンビルセルの中心の圧力がかかる部分、ダイヤモンドのパーツを、従来のような平らな形じゃなく、
ドーナツ型みたいな「トロイダル」という形にしたことです。
これによって、従来のダイヤモンドアンビルセルの400GPaという圧力の上限を超えることができました。
ふたつめに、彼らが開発した新しいタイプの赤外線顕微鏡を使うことで、よりノイズの少ない計測が可能になったそうです。
この結果はまだ査読を受けてない、つまりまだ他の専門家の検証を受けていなくて、主要な学術誌には掲載されていません。
なのでもちろん、他の研究者が同じことを再現してもいません。
上にも書いたように、これまでたくさんの研究者が金属水素生成に挑んでいて、成功を発表しては否定されてきました。
なので今回も、ぬか喜びになる可能性があります。
・今回こそは大発見かも?
■■中略
Source: arXiv、Nature、Jstage、Wikipedia、Twitter
Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US [原文] ( 福田ミホ )
■■中略部はソースをご覧ください。