国内に広く生息する川魚「カマツカ」に、新種2種が含まれていたことを、関西学院高等部の富永浩史教諭らが発見した。泳ぎが得意な種を「ナガレカマツカ(学名=シュードゴビオ・アガソネクトリス)」、うろこが金銀に光って見えることがある種を「スナゴカマツカ(学名=シュードゴビオ・ポリスティクタ)」と名付けた。論文が日本魚類学会誌の電子版で公開された。

 カマツカは、最大で体長20センチになるコイ科の淡水魚。北海道と沖縄県を除く各地にすむ。富永さんは高校生の時、川を泳ぐカマツカの中に、形がわずかに異なる魚がいることに気づいた。その後、全国を巡り、遺伝子の特徴などを研究。西日本に2種、東日本に1種の計3種がいる可能性を突き止め、2016年に論文で発表した。

 さらに今回、江戸時代に来日した医師シーボルトがオランダに持ち帰った標本を元に国内外のカマツカ約200匹を調べ、唇やひげの長さ、胸びれの形状、体の模様の違いを調べた。その結果、西日本に多い「ナガレカマツカ」と東日本の「スナゴカマツカ」がそれぞれ新種と判明したという。

 富永さんは今後も高校に勤めながら研究を続ける。「一部の川では交雑も確認されている。3種に分かれたはずの魚がまた交雑する環境要因などを調べたい」と話す。

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朝日新聞デジタル
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