環境省は15日、鹿児島県の奄美大島と徳之島に生息する国の特別天然記念物「アマミノクロウサギ」の生息地を示した地図情報を情報開示請求者に誤って開示したと発表した。アマミノクロウサギは種の保存法に基づき捕獲などが禁止されており、同省は内規で生息地情報を非公開としている。

 同省那覇自然環境事務所によると、昨年11月、奄美大島の希少動植物に関する専門家検討会の議事録などについて情報公開法に基づく開示請求があり、今年1月に文書約600ページを開示した。その際、目撃情報などに基づくアマミノクロウサギの生息地を明示した地図を黒塗りせずに開示した。また検討会メンバーのメールアドレスなども誤って開示したという。

 15日に請求者から「黒塗りされていない」と指摘されて消し忘れに気付き、同省は生息地情報を公開しないよう請求者に要請した。

 アマミノクロウサギは近年、生息可能な森林の減少のほか、外来種のマングースなどに捕食されるなど生息数が減り、国内の絶滅危惧種を分類した環境省のレッドリストで絶滅リスクが2番目に高い「絶滅危惧IB類」に指定されている。

https://img.topics.smt.news.goo.ne.jp/picture/mainichi/m_mainichi-20190216k0000m040023000c.jpg

毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20190216/k00/00m/040/023000c