隕石の衝突で出来たクレーターが、わずか数カ月の間にグリーンランドで2つ発見された。

2月11日に『ジオグラフィカル・リサーチ・レターズ(Geophysical Research Letters)』誌で発見が報告された2つめのクレーターは、幅が45.4キロメートル以上あると考えられている。2018年にグリーンランド北西部のハイアワサ氷河下に見つかったクレーターからわずか183.5キロメートルしか離れていない。ハイアワサ氷河下のクレーターの最初の発見を受けて、米国航空宇宙局(NASA)はグリーンランドの氷河の下にある地層の調査にさらなる資源を投じていた。

NASAの氷河学者たちは、地形図、衛星画像およびレーダースキャンを用いて、この地域の地形を分析した。その結果、底が平らなボウル型のくぼみが岩盤上にあるのを発見した。このくぼみは隆起した縁に囲まれており、隕石衝突でクレーターの底部に形成される特徴的な中央突起があった。クレーターは、長い年月をかけてかなり浸食されており、10万年前から1億年前に形成されたものと研究チームは推定している。そのため、今回発見されたクレーターは恐らく、ハイアワサ氷河下のクレーターより以前に形成されたと考えられる。

地球上の近接した場所に2つのクレーターが発見されたのは、今回で3例めとなる。「人類はこれまで、地上、上空、そして宇宙から、さまざまな方法で地球を調査してきました。それでもなお、今回のような発見があると考えるとワクワクします」とNASAゴダード宇宙飛行センターの氷河学者であるジョー・マグレガー博士は述べている。

https://cdn.technologyreview.jp/wp-content/uploads/sites/2/2019/02/13003809/craters-1398x787.png

https://www.technologyreview.jp/nl/nasa-has-discovered-another-massive-crater-beneath-the-ice-in-greenland/