0001しじみ ★
2018/12/28(金) 12:55:29.34ID:CAP_USER米国の西部は2000年代前半から干ばつに見舞われている。その間、山火事が猛威を振るい、作物は枯れ、平野や渓谷で砂嵐が吹き荒れ、北から南まで川が干上がった。(参考記事:「雪不足が招く米国西部の干ばつ」)
加えて、これほどわかりやすくないものの、干ばつは気候や環境にさらなる影響を及ぼしている。川の水が減ったことで、水力発電所の発電量が大幅に低下したのだ。
その影響の大きさを知るため、ある研究グループがこのたびCO2(二酸化炭素)の排出量を計算した。結果、水力発電所を使用できない間、炭素を排出するエネルギー源に頼ったことで、15年間で100メガトンのCO2が余分に排出されていたことがわかった。毎年およそ140万台の自動車が追加されたのと同等の排出量だ。この論文は12月21日付けの学術誌「Environmental Research Letters」に発表された。
「かなり大きな排出量です」と、論文の著者の1人で、スタンフォード大学の気候科学者ノア・ディフェンボー氏は話す。
米国西部では平年、20%強の電力が水力発電で供給されていた。ただし、この数値は川の流量に応じて変動する。流量が少ないときは、水力発電所の発電量も落ち込む。
対して、干ばつに見舞われても、光や熱、空調の需要は水が豊富なときと変わらない(場合によっては水が豊富なときより増える)。減ってしまった水力発電の分は、電力会社はほかで補うしかない。研究グループによれば、電力会社はほとんどの場合、天然ガスや石炭など、炭素を排出する電力源に依存していたという。
■水の代わりになるものはほかにない
カリフォルニア大学アーバイン校の土木環境工学者アミール・アガクーチャック氏は、理想的ではないが、電力源のシフトは理にかなっていると話す。
「干ばつの状況ではまず、人々や都市のために水を使わなければなりません。そのためには、ガスを燃やし、エネルギーを確保するという選択は十分あり得ます。エネルギー源には複数の選択肢がありますが、水の代わりになるものはほかにありませんから」
カリフォルニア、ワシントン、オレゴンなどの州は平年、水力発電所に大きく依存しているため、干ばつの影響が特に大きかった。例えば、カリフォルニア州では、干ばつに起因するCO2の排出量が、エネルギー関連の全排出量の7%を超えていた。オレゴン、ワシントン州では、同じく約10%を占めていた。
決して取るに足りない数字ではない。米国西部では、多くの州が数十年単位の積極的な排出削減計画を立てているためだ。例えば、カリフォルニア州は2050年までに、1990年の水準から80%も排出量を削減しようとしている。しかし、干ばつはすべての西部の州を大きく後退させており、排出削減目標の達成は一層難しくなっている。
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