目の角膜が傷ついた患者にiPS細胞から作った角膜になる組織を移植し、視力を回復させることを目指す大阪大学などの臨床研究について、学内の専門家委員会は大筋で了承しました。このあと国の審査で認められれば、来年半ばにも最初の手術を実施したいとしています。

この臨床研究は、大阪大学大学院医学系研究科の西田幸二教授らのグループが計画し、学内の専門家委員会に申請していました。

角膜は黒目の部分を覆う透明な膜状の組織で、計画では病気やけがなどで角膜が傷ついて視力が低下した患者4人に、iPS細胞から作り出した角膜のもとになる細胞をシート状の組織にして移植します。

細胞は角膜に変化して視力が回復することを目指すということで、26日に大阪大学で開かれた専門家委員会の会合では、患者に対して研究内容をより分かりやすく説明することなどを条件に計画は大筋で了承されました。

このあと、国の審査を受け、認められれば来年半ばにも一例目の手術を行いたいとしています。

iPS細胞を使って目の病気を治療する研究は、神戸にある理化学研究所などのグループが重い網膜の病気で実施していますが、角膜を対象にするのは初めてです。

西田教授は「一般的な治療に発展させることを目指して、できるだけ短期間でしかも安全に計画を進め、患者に治療を届けたい」と話していました。

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NHKニュース
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