0001しじみ ★
2018/11/30(金) 15:55:52.45ID:CAP_USERAbrupt ice-age shifts in southern westerly winds and Antarctic climate forced from the north | Nature
https://www.nature.com/articles/s41586-018-0727-5
The hidden link between Earth's polar regions revealed | Daily Mail Online
https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-6440117/The-hidden-link-Earths-polar-regions-revealed.html
南半球から北大西洋へ流れるAtlantic Meridional Overturning Circulation(AMOC、大西洋南北鉛直循環)は、相当量の熱エネルギーを運搬する大きな海流で、大西洋の上層には暖かい海水が北向きに流れ、冷たい海洋深層水が南向きに流れます。AMOCの流れが強くなると、海洋内に大きな熱勾配が生まれ、北半球各地の気流や気候、海面水位などに大きな影響を与えるといわれています。また、AMOCは北半球で最大の二酸化炭素吸収源でもあります。
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研究チームは、南極内の5カ所で氷の層を掘削。氷柱の中に挟まれる火山灰の層を見て年月を特定し、氷の中に含まれる水の同位体比を分析して温度の変化を測定しました。そして、グリーンランドでも同様の調査を行い、グリーンランドにおける気温の変動データと、南極での気温の変動データを照合。その結果から、北大西洋域で起こった急激な気候変動が、AMOCの変化を介して反対側にある南極大陸にも影響を与えたと結論づけています。また、研究チームは、急激な気候変動は10万年前から20万年前の間におよそ25回ほど起こったと述べています。
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オレゴン州立大学で気候変動を専門的に研究しているChristo Buizert氏は、「北大西洋は2つの異なる時間スケールで南極大陸にメッセージを送っています」と述べています。Buizert氏によると、AMOCが強くなって北大西洋が温暖化すると、北大西洋に大量の熱エネルギーを奪われた他の海洋の温度が下がり、変化した気流によって南極が急激に寒冷化するそうです。その後、ゆっくりと起こる海洋の変化によって、およそ200年を挟んで南極がさらに寒冷化すると考えられているとのこと。グリーンランドがAMOCの影響によって温暖化すると、南極の気候はおよそ200年というスパンを置いて2回変動するというわけです。
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2018年4月に発表された論文では、「1500年前と比較して、AMOCの流れの速さは過去150年間でおよそ15%減速している」と指摘され、AMOCの弱体化によってアジアモンスーンの強化、気流パターンの変化、二酸化炭素吸収能力の低下を示唆する証拠も見つかっています。大気科学者のJustin Wettstein氏は「私たちの世界は今、全体的に温暖化の傾向にあることが知られています。地域ごとの気候の変化は、大気や海洋の循環がどのように影響するかにも左右されます」と述べています
最後の氷河期にあたる20万年前〜10万年前には、現在と同じようにAMOCが非常に弱体化し、北大西洋が寒冷化したことが判明しています。Buizert氏は「グリーンランドからの温暖化と氷の融解によって、AMOCは弱体化しています。つまり、現在は北大西洋の寒冷化とともに、南極へ気候変動のメッセージが届けられている段階だといえます」とコメントしています。
GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20181130-north-atlantic-link-antarctic/