米スペースXは、現在衛星インターネット計画「スターリンク」の見直しを行っている。

将来的には、人工衛星経由で地球全土からインターネットが使えるようにするという、野心的な計画だ。

スターリンクが実現すると、我々の生活はどう変わるのだろうか。

■多数の衛星が実現するネットワーク
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実は、人工衛星によるインターネットサービスの提供は以前よりおこなわれている。今でも、衛星携帯電話を用意すれば衛星インターネットが利用可能だ。

しかしスペースXのスターリンクでは、従来よりも低い軌道に多数の人工衛星を打ち上げ、それぞれを連携させることで衛星インターネットを提供しようとしている。なお、このような多数の人工衛星によるネットワークは「衛星コンステレーション」と呼ばれることもある。

従来の衛星インターネットは通信速度があまり速くなく、さらにラグが大きいという問題があった。しかしより地上に近い人工衛星によるサービスは、通信時のレスポンスや通信速度を向上させられる。

■2020年代にもサービス展開へ
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スペースXはスターリンクを実現すべく、2018年2月にテスト衛星「ティンティンA」「ティンティンB」を打上げた。さらに、2019年には実際に運用可能な人工衛星を打ち上げる予定だ。

そして将来的には、約1万2000機の人工衛星を打上げて衛星インターネットを提供する。現時点での計画では、約7500機を高度335〜345kmの低い位置に、そして約1600機を高度550kmに打ち上げるとしている。

スペースXのスケジュールでは、2020年代中盤に衛星のうちの半数を打上げ、実際にサービスを提供する予定だ。なお、実際のサービス価格などは発表されていない。

■世界で進む衛星インターネット計画
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もしスターリンクのような衛星インターネットが実現すれば、遠隔地や発展途上国におけるデジタルデバイド(情報格差)の問題が解決できるはずだ。

このような地域では、固定インターネットや携帯電話の基地局が地理的な問題、あるいは予算の問題で設置できないケースが多々ある。また我々がそのような地域に旅行した際にも、衛星インターネットによるインフラは便利に利用できることだろう。

現在スペースXだけでなく、ソフトバンクが出資する「ワンウェブ」も衛星インターネットの構築を目指している。いつでもどこでも高速インターネットが利用できる未来は、そう遠くないはずだ。
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