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2018/08/28(火) 21:18:15.89ID:CAP_USER英科学誌ネイチャー・クライメート・チェンジ(Nature Climate Change)に掲載された論文によると、現在の傾向が続けば、世界の主要穀物に含まれる鉄、亜鉛、タンパク質などの濃度がCO2濃度の上昇によって今世紀半ばまでに最大で17%低下することが考えられるという。
論文の主執筆者で、米ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard University T.H. Chan School of Public Health)の研究者のマシュー・スミス(Matthew Smith)氏は、AFPの取材に「主にアフリカ、東南アジア、インド、中東などの地域で、栄養不足の状態に陥る人が数億人増える恐れがある」と語った。また、現在すでに栄養不足の問題に直面している数十億人については、その状況がさらに悪化するとした。
全世界で供給されるタンパク質、亜鉛、鉄の約40%は、コムギ、コメ、トウモロコシの世界3大穀物によってもたらされている。一般に、人が食事から摂取するタンパク質の約60%、鉄の約80%、亜鉛の約70%は、植物性食物からのものだ。
■予期せぬ影響
大気中の過剰なCO2が、2050年までに世界の人々の健康に与える影響について調べるため、スミス氏と共同研究者のサミュエル・マイヤーズ(Samuel Myers)氏のチームは、151の国々で栽培されているさまざまな種類の食用植物225種についてモデル計算を行った。
人類が現在の水準で石炭、石油、天然ガスなどの燃焼による温室効果ガスを放出し続けると、大気中のCO2濃度は2050年までに550ppmに達すると考えられる。現在の大気中CO2濃度は400ppm超となっている。
■影響が最も大きいのはインド
モデルを使った計算の結果、この条件の下では、世界人口の2%近くに当たる1億7500万人が新たに亜鉛欠乏に陥り、1億2200万人が十分なタンパク質を摂取できなくなる可能性があることが分かった。
鉄に関しては、女性と5歳未満の子ども約14億人に摂取量4%超の減少に直面する恐れがあり、そのうちの5億人には鉄欠乏に関連する病気発症のリスクがあるとされた。
研究チームによると、最も大きな影響が及ぶ国はインドで、約5000万人が亜鉛の欠乏状態となり、最小必要量のタンパク質を取れない人も3800万人に上ることが考えられるという。その他、中国、インドネシア、バングラデシュ、ブラジル、ケニアや他の新興国と発展途上国でも、影響を受ける人々の数が劇的に増加するとされた。
世界保健機関(WHO)によると、現状でも全世界の20億人あまりが、何らかの栄養素が不足した状態にあるという。(c)AFP
AFP
http://www.afpbb.com/articles/-/3187470